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此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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「少尉」

おっとりとした声に顔を上げれば、目に入ったのは流れる様な瑠璃紺の髪。
「なにかしら、水影軍曹」
軍人らしからぬ穏やかな眼の軍曹が、自分を見下ろし、そろりと身を屈める。
「商人が、動き始めそうです」
「………そう」

吐いた溜息。ペン先が無意味に揺れる。

「今の処は商機を窺っているまでですが…」
「……まだ盛大に動き出さないように、牽制出来る?」
そっと小声で尋ねれば、微かに首を傾げて水影軍曹の視線が思慮に揺れる。
「何処まで出来るか判りませんが…それとなく抑えて見るよう打診しておきます」
「ええ。お願い。今商人が動いて物価が急騰したら、一般の人たちはパニックよ。稼ぎ時なのは解る。けれど…出来れば……」
「戦場が何処に展開されるか如何ですね」
「……そうね。内地だったら近隣の物価の高騰は確実ね」

ぱたりとペンを置き、椅子の背に体重を預ける。
ずっと同じ体勢でいた背骨が、パキパキと音を立てた。

「日頃から一般配給の為の備蓄を用意出来れば良いんですけれどねー…」
「軍はこっちの有事の際の備蓄だけで手ぇ一杯でしょ。あーもー…政府が一般の分用意してくれないかしら」
「多分懐に消えるのでは?」
あたしのボヤキに、水影軍曹が頬に手を当てて小首を傾げる。
穏やかな容貌から紡がれる痛切な毒に苦笑し、あたしもつられてボロボロと愚痴が出る。
「西の端でぬくぬくしてるだけの癖にねぇ。少しはこっちにもお金廻しなさいってーの。
 あーもー。戦争だって何日続くか判らないから、現地調達織り交ぜて保存食料少しずつ消費出来るようにしてるのに、次の予算削られるからって撤退時には全部消費しないといけないって…あんまりだわー。
 持ち越せれば、その分他の物資に予算を回せるのに」
「まあ…上も削れる予算は削りたいですしね。予算で与えられている分はガンガン使った方が良いですよ?」
「その分兵の生存率が上がります」と謳う軍曹に、「それは解ってるんだけど…」とあたしは口を尖らせてぼやく。
「予算も税金なのよね…」
「余らせたって、国民から搾取される税金の総額は変わりませんよ。余らせた分、上の方の接待交際費だの、訳の解らない経費だの、私腹を肥やす為に使われるのがオチです」

キッパリスッパリ。
笑顔で断言する水影軍曹に、うやーんとやるせなく項垂れる。
一時期家計を預かってた身としては、限られたお金をガツガツ使うのには抵抗がある。
それでも一度戦闘が始まれば、まず弾薬が湯水の如く消費される。白兵戦を得手とする歩兵もいるが、弾幕での掃討の方が早いし安全だ。

「弾薬と食料と燃料が尽きるのは…避けたいわよねぇ」
「白兵戦が得意な者も多いですが、彼らが活きるのは乱戦と障害物の多い森林ですからね。銃火器に対応出来るだけの力があれば別ですが。
 まず敵味方入り乱れての乱戦で、誰に当たるかも判らない銃弾ぶっ放す人は居ないでしょうし。軍服で差別化出来れば可能でしょうが…幸いというか…決まった軍服は双方ありませんしねぇ」
「そこが在り難いところよねぇ……まずは兎に角、食料と武器弾薬の確保が優先か」
「そうですね。まあ得物(パートナー)持ちの方も多いですから武器に関しては若干余裕はありますがね」と微笑で頷く水影軍曹に頷き返して深い溜息一つ。
「……助かるわ。水影軍曹の耳が早くて」
「まあ実家が商家といっても、結局は一般人ですからね。何処まで出来るかは判りませんが……」
「それを言ったらウチなんか元軍医に元傭兵よ?…一応今の所徴兵の気配は無いけれど…」
こきりと首を鳴らして、ペン立てにペンを戻す。

『協約』に一般人の安全は最低限守られているとは言え、其処彼処に火薬はゴロゴロ。
諍いの火種が落ちればあっという間に開戦だ。
燃え草が無くなれば鎮火はするが、焼け野原には燃料にされた人間が横たわり、さて其の侭風雨に身を晒すのか、それとも墓土の下に還るのか。

机に頬杖をついて、今日何度目かになるか解らない溜息一つ。

「……本当、厭な世の中だわ」

+++++

前振り期間…って事で。……でも此処まで書いちゃったけどいいかなぁ…。
多分オースィラ・メアレイヒ間でいざこざが起きれば、まず商人が食料品とかの売り込みに走る準備をするんじゃないかなー、と。

ディアレントの部下、水影軍曹の実家はそこそこ大きな商家です。
噂等等ニュースソースの仕入先。
他にはレプト准尉も情報収集は得意ですが…こっちは趣味に近いですね。
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相手に敵意を向ける時は
自分が相手からも敵意を向けられる事を知りなさい

相手に殺意を向ける時は
自分が相手からも殺意を向けられる事を考えなさい

相手を殺す覚悟を持った時は
自分が相手に殺される覚悟も持ちなさい

自分の限界を知りなさい
それが出来るのなら、歩ける内に退きなさい
それが出来ないのなら、まだ戦えると思った時には退きなさい

死ぬ気で戦うと言うのなら
生きて帰ると言う考えは捨てなさい

生きて帰ると言うのなら
自分で生存率を上げる努力をしなさい

生きて帰りたいのなら
少しでも助かる可能性を考えられる内に退きなさい

自分の命の使い処は、自分自身で決めなさい
自分の命を他人に委ねるのは止めなさい
他人の命を背負いなさい
自分の命は自分で背負いなさい


自分の判断に、自分の行動に、自分の命に


責任を、持ちなさい


+++++

ディアレントの基本思考。
部下には一通り伝えているんじゃないかな…。

何を言いたいかと言えば、『生きて帰って来なさい』と言う事。

……また軍人らしくない思考だな。
書類処理の合間。
どうにも溜息ばかりでペンが進まない。
気分でも変えようと台所に向かい、ヤカンを火に掛け、コーヒーの準備。

……どうも現実逃避したい時、あたしはヤケに手間の掛かる事をしたがるらしい。
現に今だって、インスタントのコーヒーがあるにも関わらず、ドリップコーヒー。
違うのよ?そろそろ飲み切らないと豆の風味が落ちるからで…と内心意味の無い言い訳をしながら、ペーパーフィルターに挽いてあった粉を入れる。

(なんだかなー)
さらさらとフィルターの中に粉を入れながら、考えるのは最近の自分の様子。
(不自然に…思われてなければ良いけど)
普段通りに振る舞っているつもりだけれど、やっぱり意識はルクス少尉の動きを気にしていて。
以前は何も考えずにルクス少尉に声を掛ける時に、袖を引っ張ったり軽く叩いたりとかが出来ていたのに…今は手を引っ込めてしまう。
(……駄目だなぁ)
「…………おい」
「っ!!」
不意に掛けられた声にも驚いたが、肩を叩かれた事に心臓が跳ねる。
「な、なに?ルクス少尉っ」
「…………何杯分淹れる気だ?」
「え?……あぁっ!?」
眼を細めるルクス少尉から自分の手元に注意を移せば、ドリッパーにセットしたペーパーフィルターには、一人分には多すぎる量の粉が盛られていた。
(……も、戻せないし…なぁ)
「……る…ルクス少尉」
「……………なんだ」
「…一杯ぐらい協力してくれない?」
「一杯」と指を立ててルクス少尉を見上げれば「……………構わんが」と嬉しい返事に顔が緩んだ。

(なんて言うか…さ)
コポコポとお湯を注ぎながら、自分の単純さにほとほと頭が下がる。
声一つ、仕草一つで、此処まで嬉しくなれるなんて。

「お待たせ、ルクス少尉」
「………ああ」

+++

――願うのは
――どうか
――どうかまだこの侭で

……まだ気付かないで。

+++++

ルクスさんをお借りしましたっ。

……えぇ…と。
戦争近いのに遅春でもやもや中…です^^
追記から横断鉄道帰宅編です。
そして一足お先に隊舎に帰って来ましたが、鉄道記事は様子を見ながらちょこちょこ追加してみたいです。


そして横断鉄道での里帰りのお土産を何にしよう…と思いながら世界観の気候をマジマジ。
……ちょっとオースィラの気候が判らなくなってきたorz
いや、寒い寒いって覚えていたからスウェーデンとかロシアとかそっちのイメージだったんですけど…何だか香港とか、ベトナム辺りの気候に近い?のかな…?

……もう少しネットで調べて勉強しますorz

記事を一つ飛ばしましたが、自覚編。

この前にアカガネさん失踪とアユちゃんに遭遇をいれれたら…とか。

横断鉄道:自覚編に繋がるアカガネさん失踪とアユちゃんとバッタリ編です。

先に親記。

アユさんと、お名前だけですがアカガネさん、ヘルツィヒさんとチャドさん、そしてルクスさんをお借りしました。

……切り処が判らなくて異様に長いです。多分最長ですorz
そしてアカガネさんの行動メモを参考に書いた部分がありますので、不都合がありましたらビシビシご指摘お願いします。


続きからどうぞ

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