此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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2008/05/08 (Thu)
00:37:25
◇日常と非日常は紙一重
横断鉄道:自覚編に繋がるアカガネさん失踪とアユちゃんとバッタリ編です。
先に親記。
アユさんと、お名前だけですがアカガネさん、ヘルツィヒさんとチャドさん、そしてルクスさんをお借りしました。
……切り処が判らなくて異様に長いです。多分最長ですorz
そしてアカガネさんの行動メモを参考に書いた部分がありますので、不都合がありましたらビシビシご指摘お願いします。
続きからどうぞ
----------
先に親記。
アユさんと、お名前だけですがアカガネさん、ヘルツィヒさんとチャドさん、そしてルクスさんをお借りしました。
……切り処が判らなくて異様に長いです。多分最長ですorz
そしてアカガネさんの行動メモを参考に書いた部分がありますので、不都合がありましたらビシビシご指摘お願いします。
続きからどうぞ
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「…………。」
行儀が悪いとは思いつつ、テーブルに頬杖を付きながら街の明かりの遠くなった窓の外を覗く。
知らず知らずコツコツとテーブルを叩いていた指を止め、壁に掛かっている時計を見上げてぼそりと一言。
「……遅くない?」
あらかたのスイーツを制覇し、ちょっとトイレへ…とアカガネ少尉が席を立ったのが30分前。
混んでるとしても…ちょっと変よ、ね?
探しに行こうかと20分前にも一度席を立ったけれど、その時は「自分より4つ年上の男性にする心配じゃ無いわね」と座り直したのだけれど…。
待てど暮らせどアカガネ少尉が戻ってくる気配が無い。
(まさか迷ったとか…?でも車内なんて一本道だし)
物凄くアカガネ少尉に対して失礼な心配をしていると思っていても、こうもアカガネ少尉の安否が気になるのは…車掌さんを始め車内でちらほら聞こえる例の噂の所為なんだと思う。
(だから…こーゆー時にねー?)
「あるわけないだろう」とばっさり言ってくれる、ルクス少尉とか居てくれたら……。
(……って、何言ってんのかしら)
パタクタと顔の横で手を振って弱気を払いながら、アカガネ少尉を探しに行こうと席を立った。
途中見かけた同じ陸軍のヘルツィヒ少尉とチャド少尉(声を掛けたら一瞬固まられた)にアカガネ少尉を見なかったかと訊けば、やっぱり暫く前にトイレのある車両に行くのを見たとの事。
次第に顔色の悪くなるお二人に、女性を苦手とするお二人に話しかけて申し訳無かったか、と思いながらもお礼を言って、アカガネ少尉を見たと言う車両へと向かう。
-----
パカパカと明滅する照明は、電球が切れ掛けているのか。
ふっと消えたかと思うと忙しなく瞬いて明かりが点く。
(……気味悪いわね)
普段なら多少煩わしいと思う蛍光灯の点滅も、今の心情では不気味に思えて仕方ない。
食堂車から一番近いトイレは、ドアノブの開閉の色を見る限り男女共に空室で。
通過がてら客車の座席を窺うも、目立つ赤髪に赤いジャケットは見当たらない。
(本当に…何処行ったのかしら、アカガネ少尉)
溜息を吐きながら個室の並ぶ客車の通路を歩いていたけれど…遂に寿命だったのか天井の照明がふっと消えた。
それでも個室の照明は点いているし、足元には安全の為にと小さな明かりが並んでいるので、歩く事に不都合は無いが…。
(な、なんで隣の車輌の照明も切れたのかしらねぇっ!?)
さっきまでパカパカ瞬いて、必死に自分の寿命を自己主張していたこっちの車輌の蛍光灯が切れるのは百歩譲ってもまだ、まーだ認めるけれど、それこそ停電でもあるまいし?何故煌々と照明の点いていた隣の車輌の通路の蛍光灯まで切れる必要がある!?
……それでも此処で引き返すのは…嫌だし…。
逡巡は数秒。
よし行くか!と車輌間を繋ぐドアに手を掛けた。
……掛けたの、だが。
「きゃあっ!?」
「………」
向こう側から引き開けられたドア。
薄闇の中にぼうっと白い顔が浮かぶ。
「……出会い頭に一撃とは物騒ですネ」
少し聴き慣れないイントネーションの高い声に、慌てて親指を握り込んで作った拳を解き、意味も無く胸の前で振ってみせる。
「い、イヤイヤコレはねっ?不審な光が見えたし…つい…」
「コレですカ」
カチカチと女の子が、手に持った小型の懐中電灯のスイッチを操作すると、彼女の顔が下から照らされて……正直ちょっと…怖い。
「…あ」
ふっ…と廊下の照明が戻り、改めて女の子の姿をまじまじと見る。
綺麗なオレンジ色と雪の白の二色の髪。澄んだ青い眼は冬の海。
(おお…美少女だ…)
そう言えば青い眼ってまじまじ見た事ないのよね。ルクス少尉を始め陸三小隊長陣は金眼と赤眼ばかりだから。
「何でしょうカ?」
「あぁ御免なさい。貴女みたいな綺麗な青眼(ブルー・アイズ)、身近で見た事なかったからつい…」
「ソレほど珍しくハ無いですヨ」
「んー…でも、あたしの両親も弟も赤眼だし…同僚も金眼と赤眼ばっかりなのよねー」
「………もう行っていいですカ」
ほへーっとまじまじ見ていたのだが、半ば呆れた声で溜息を吐いた彼女に慌てて謝って通路の端に寄る。
「あ、そうだ」
「?」
「最後に一つだけ。貴女の来た方の車輌で、赤髪・赤いジャケットに赤いパンツの、赤尽くめで長身の男の人見なかったかしら?トイレに行くって行ったっきり戻って来なくて…」
駄目元でアカガネ少尉の事を聞いてみる。目立つ外見なのが幸いだけれど…やっぱり無理かしら。
「………あァ」
「嘘!?見たの?何処で!?」
「30分ほど前でしたガ。女子トイレデ」
……………………。
「は?」
「あまりに堂々と入って来られたので何だと思いましガ…人違イでしたカ?」
「た…多分…?」
……や、幾ら何でも…列車に乗ってまでうっかりは…無いと思うんだけれど……。
「……ゴメンナサイ、一応どこら辺で見かけたのか教えて下さい」
「構いませんガ…恋人か何かですカ」
「ううん。同僚だけれど…どうして?」
「イエ…」
「消えた恋人を探しに行くのはホラー映画では定石のバッドフラグだと思いましテ」
「イヤイヤイヤ!!普通の同僚なんだけど!?」
「そうですカ……では餞別にこの列車にまつわる噂話でモ…」
「え」
「まア、気分付け程度ですヨ」
「え!?」
その後……。
(アユちゃん…なんであんなに怪談話を…っ)
餞別に、とたっぷり怪談を聞かされたあたしは、よろよろと壁に手を付きながら通路を歩く。
本当に…アカガネ少尉は何処に行ったのだろう。
(……あぁもうっ)
別に暗い所が怖い訳じゃないし、怪談話も平気な方だ。
それでも、なんでか今回は心が弱い。
照明は煌々と点いているとはいえ…否、だからこそ、鏡の様になった窓を覆うカーテンの隙間が気になるし、アユちゃんがアカガネ少尉と遇ったと言うトイレを覗いた時も、気付けば鏡を視界に入れないようにしていた。
なんだかなー、と壁に凭れて溜息一つ。
アカガネ少尉は見つからないし…聞けば他にも姿の見えない人が居るって言うし。
如何なっているんだか、と天井に向けて溜息一つ。
どうもこの列車に乗ってから、ふと気付けば天井の方をなんとなく見る事が多くなったと思う。
そしてそんな時に考えているのは……大概、彼の事で。
「今頃…どうしているかしら」
――ルクス少尉。
ああ、そうか。
何時も見慣れた高さは
ルクス少尉を見上げる時の――
――― あいたいなぁ。
行儀が悪いとは思いつつ、テーブルに頬杖を付きながら街の明かりの遠くなった窓の外を覗く。
知らず知らずコツコツとテーブルを叩いていた指を止め、壁に掛かっている時計を見上げてぼそりと一言。
「……遅くない?」
あらかたのスイーツを制覇し、ちょっとトイレへ…とアカガネ少尉が席を立ったのが30分前。
混んでるとしても…ちょっと変よ、ね?
探しに行こうかと20分前にも一度席を立ったけれど、その時は「自分より4つ年上の男性にする心配じゃ無いわね」と座り直したのだけれど…。
待てど暮らせどアカガネ少尉が戻ってくる気配が無い。
(まさか迷ったとか…?でも車内なんて一本道だし)
物凄くアカガネ少尉に対して失礼な心配をしていると思っていても、こうもアカガネ少尉の安否が気になるのは…車掌さんを始め車内でちらほら聞こえる例の噂の所為なんだと思う。
(だから…こーゆー時にねー?)
「あるわけないだろう」とばっさり言ってくれる、ルクス少尉とか居てくれたら……。
(……って、何言ってんのかしら)
パタクタと顔の横で手を振って弱気を払いながら、アカガネ少尉を探しに行こうと席を立った。
途中見かけた同じ陸軍のヘルツィヒ少尉とチャド少尉(声を掛けたら一瞬固まられた)にアカガネ少尉を見なかったかと訊けば、やっぱり暫く前にトイレのある車両に行くのを見たとの事。
次第に顔色の悪くなるお二人に、女性を苦手とするお二人に話しかけて申し訳無かったか、と思いながらもお礼を言って、アカガネ少尉を見たと言う車両へと向かう。
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パカパカと明滅する照明は、電球が切れ掛けているのか。
ふっと消えたかと思うと忙しなく瞬いて明かりが点く。
(……気味悪いわね)
普段なら多少煩わしいと思う蛍光灯の点滅も、今の心情では不気味に思えて仕方ない。
食堂車から一番近いトイレは、ドアノブの開閉の色を見る限り男女共に空室で。
通過がてら客車の座席を窺うも、目立つ赤髪に赤いジャケットは見当たらない。
(本当に…何処行ったのかしら、アカガネ少尉)
溜息を吐きながら個室の並ぶ客車の通路を歩いていたけれど…遂に寿命だったのか天井の照明がふっと消えた。
それでも個室の照明は点いているし、足元には安全の為にと小さな明かりが並んでいるので、歩く事に不都合は無いが…。
(な、なんで隣の車輌の照明も切れたのかしらねぇっ!?)
さっきまでパカパカ瞬いて、必死に自分の寿命を自己主張していたこっちの車輌の蛍光灯が切れるのは百歩譲ってもまだ、まーだ認めるけれど、それこそ停電でもあるまいし?何故煌々と照明の点いていた隣の車輌の通路の蛍光灯まで切れる必要がある!?
……それでも此処で引き返すのは…嫌だし…。
逡巡は数秒。
よし行くか!と車輌間を繋ぐドアに手を掛けた。
……掛けたの、だが。
「きゃあっ!?」
「………」
向こう側から引き開けられたドア。
薄闇の中にぼうっと白い顔が浮かぶ。
「……出会い頭に一撃とは物騒ですネ」
少し聴き慣れないイントネーションの高い声に、慌てて親指を握り込んで作った拳を解き、意味も無く胸の前で振ってみせる。
「い、イヤイヤコレはねっ?不審な光が見えたし…つい…」
「コレですカ」
カチカチと女の子が、手に持った小型の懐中電灯のスイッチを操作すると、彼女の顔が下から照らされて……正直ちょっと…怖い。
「…あ」
ふっ…と廊下の照明が戻り、改めて女の子の姿をまじまじと見る。
綺麗なオレンジ色と雪の白の二色の髪。澄んだ青い眼は冬の海。
(おお…美少女だ…)
そう言えば青い眼ってまじまじ見た事ないのよね。ルクス少尉を始め陸三小隊長陣は金眼と赤眼ばかりだから。
「何でしょうカ?」
「あぁ御免なさい。貴女みたいな綺麗な青眼(ブルー・アイズ)、身近で見た事なかったからつい…」
「ソレほど珍しくハ無いですヨ」
「んー…でも、あたしの両親も弟も赤眼だし…同僚も金眼と赤眼ばっかりなのよねー」
「………もう行っていいですカ」
ほへーっとまじまじ見ていたのだが、半ば呆れた声で溜息を吐いた彼女に慌てて謝って通路の端に寄る。
「あ、そうだ」
「?」
「最後に一つだけ。貴女の来た方の車輌で、赤髪・赤いジャケットに赤いパンツの、赤尽くめで長身の男の人見なかったかしら?トイレに行くって行ったっきり戻って来なくて…」
駄目元でアカガネ少尉の事を聞いてみる。目立つ外見なのが幸いだけれど…やっぱり無理かしら。
「………あァ」
「嘘!?見たの?何処で!?」
「30分ほど前でしたガ。女子トイレデ」
……………………。
「は?」
「あまりに堂々と入って来られたので何だと思いましガ…人違イでしたカ?」
「た…多分…?」
……や、幾ら何でも…列車に乗ってまでうっかりは…無いと思うんだけれど……。
「……ゴメンナサイ、一応どこら辺で見かけたのか教えて下さい」
「構いませんガ…恋人か何かですカ」
「ううん。同僚だけれど…どうして?」
「イエ…」
「消えた恋人を探しに行くのはホラー映画では定石のバッドフラグだと思いましテ」
「イヤイヤイヤ!!普通の同僚なんだけど!?」
「そうですカ……では餞別にこの列車にまつわる噂話でモ…」
「え」
「まア、気分付け程度ですヨ」
「え!?」
その後……。
(アユちゃん…なんであんなに怪談話を…っ)
餞別に、とたっぷり怪談を聞かされたあたしは、よろよろと壁に手を付きながら通路を歩く。
本当に…アカガネ少尉は何処に行ったのだろう。
(……あぁもうっ)
別に暗い所が怖い訳じゃないし、怪談話も平気な方だ。
それでも、なんでか今回は心が弱い。
照明は煌々と点いているとはいえ…否、だからこそ、鏡の様になった窓を覆うカーテンの隙間が気になるし、アユちゃんがアカガネ少尉と遇ったと言うトイレを覗いた時も、気付けば鏡を視界に入れないようにしていた。
なんだかなー、と壁に凭れて溜息一つ。
アカガネ少尉は見つからないし…聞けば他にも姿の見えない人が居るって言うし。
如何なっているんだか、と天井に向けて溜息一つ。
どうもこの列車に乗ってから、ふと気付けば天井の方をなんとなく見る事が多くなったと思う。
そしてそんな時に考えているのは……大概、彼の事で。
「今頃…どうしているかしら」
――ルクス少尉。
ああ、そうか。
何時も見慣れた高さは
ルクス少尉を見上げる時の――
――― あいたいなぁ。
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