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此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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夏の終わりに戦争行って。
秋の初めに帰って来てからは書類処理したり、医療隊に顔出して怪我の経過を診てもらったり。
……気が付けば、そろそろ紅葉が目に付くようになってきた。


書類を提出し終えて、自室に戻ろうと廊下を曲がると向こうからルクス少尉が歩いて来るのが見えた。
……そう言えばルクス少尉の顔を見るのは久しぶりかも知れない。
そりゃ、毎日会って話してるけど…さ。
前は何も気にしないでルクス少尉を見上げれていたけど…やっぱり、自覚してからだと…なんとなく、顔を見て話すのは気恥ずかしくて微妙に視線ずらしてたし。

遠くから見る分には平気なんだけどなぁ…と何か考え事をしている様子のルクス少尉が向こうから来るのを立ち止まって眺めていたら、ふと違和感。

「…あれ?ルクス少尉…?」
「…………なんだ」

何時ものため息を聞きながら、違和感の正体を探してまじまじとルクス少尉を見上げて。
ああ、と気付いたら思わずルクス少尉を指差していた。

「髪、伸びた?」
「………伸びたらいけないのか。」
「いや、別にそういうことじゃないんだけどさ…、なんか意外だなって」

だって伸びたら「邪魔だ」って言って切ってそうだし。
怪訝な顔のルクス少尉を見上げ、改めて出会った頃と比べれば確かに前髪が伸びてる。



「…何だ。伸びてると似合わないか。」



そんな事無いとか、前髪長いのだって似合ってるとか。
言いたい事はあったのに、それが全部吹っ飛んで頭が真っ白になった。
だって
ルクス少尉が

(笑っ……て……)

え?……え!?
思わぬ事にあたしが呆けてる間に、ルクス少尉は踵を返して廊下の先に歩き出していた。
反射的に駆け出してから「あ、」と思ったけど、もうルクス少尉の肘を掴んでいて。
訝しげに見下ろすルクス少尉の表情は、さっき見た苦笑じゃなくて、何時もの無表情だったけど。

「あっ、あのねルクス少尉っ!」
「………なんだ」

あれ?
反射的にルクス少尉の肘掴んで呼び止めちゃったけど、あたし何を言おうとしたんだっけ。
一瞬の思考の空白。
途切れた思考は、数分前に途切れた思考と変な風に繋がった。



「あたし前のルクス少尉も、今のルクス少尉も、どっちも好きだからねっ!?」



………あれ?

「………………………」

………今、何か一言抜けた…わよ…ね…?
無言であたしを見下ろすルクス少尉をぽかんと見上げて、漸く自分が何を言ったのか思い出してかーっと顔に血が上る。

「Σ///!! かっ、髪型の話だから!!それだけだからっ!!!」

それだけってなんじゃい。
ああほらもうルクス少尉だって無表情で無言だよ。絶対呆れられてるわよっ。

「…………」
「ほ、ほんとにそれだけっ!引き止めて悪かったわねっ!!」

言い捨てると、無言のルクス少尉を後に今走ってきた廊下を脱兎の如く駆け出して。
―― 最近あたし、口滑りすぎじゃないの…!?
この間の戦争でカトレア少尉にばれた事といい、今のルクス少尉に対してだって…。
お、思わず逃げちゃったけど…この後ルクス少尉に会ったらどんな顔すれば…。



ちょいと神様。
居るんだったら時間戻してさっきの発言取り消させてくださいなー!?
あ、でもでもっ、戻すんだったらルクス少尉が苦笑いした後に戻して下さい。
あれは絶対生涯覚えておくんだいっ!!





タイトル類義語:後悔先に立たず

+++++

ルクスさんをお借りしました…!
そしてお名前だけですが、カトレアさんもお借りしました…!

便乗です…思いっきり便乗+αです…+αは私の得意技です…orz
310さんの素敵文章にかっとなって…やってしまいまし…た…。
最近のディアさんは失言が多いようです…。


………砂糖樹海のあり地獄に嵌ってきます(ずぶずぶずぶ…
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そう言えばまだ予定表作って無かったな、と。

8月戦メモ

8/27~8/30 準備期間
   ◇残暑
   ◇雉も鳴かねば撃たれまい

8/31 モブ艦に乗ってどんぶらこ。M本部のある島に着く(最遅でも13時間後)
9/01 陸上戦(この間に乗って来たモブ艦はM囮艦に釣られてる)
9/02
9/03
9/04 嵐
9/05 軍楽隊から伝令・ミサイル発射・陸空軍M本部制圧
    ◇Clang
9/06 M軍降伏・撤退


・敵地に乗り込んで行くので、基本安全な後方地帯は無い。
・殺さないまでも無力化狙い。
・本部に撃ち込まれるのは氷結弾。本部氷漬け。
・本部の人達は人質にするので殺傷しない。自由は奪うけど。

*陸三の皆さんお借りする気満々です。ココ ジチョウ シナイ。
*メアレ陸組さんとも絡みたいなぁとかもそもそ。
*怪我したいなぁとかもそもそ。
*本部制圧中とか…。
*他のオースィラの方とも絡みたいなぁもそもそ。
響く剣戟、銃声怒声、木立の合間から刃を交える人影が見える。
藪に向けて放った飛剣は隠れて小銃を構えている敵兵の腕に刃を埋め、彼が声を上げる前に白い閃光を伴った電撃が神経を麻痺させる。

(……やっぱり戦力の殆どは海軍に割り振ってるみたいね)

メアレイヒの本部基地のあるこの小島が密集している海域では、陸上戦よりも海上の方の攻守を重点に編成をしているのだろう。
メアレイヒの基地から出てくる陸軍兵は…ざっと見た所で数小隊。
全体を見ても中隊一つ半…位かしら。
それに学兵を加えたのが…この小島における陸上戦力らしい。

(かと言って…あたし達が有利って訳でも無いのが…痛いところなんだけど)

大隊で侵略しているとはいえ、あたし達をこの島に送り届けた艦隊は海上戦に向かうべく島を離れた。
物資は必要なだけ用意してあるけれど…短期間で戦局を終結出来なければ……あたし達はこの島から出られない。

勝算はあるし、海軍とも打ち合わせは済ませてある。
戦局を決める逆転の一手。
それまであたし達は持ち堪えなければならない。

更に別の敵兵を沈め、小太刀に付いた血糊を払う。
……時々、相手を斬っても刃に血が付かなくなった。
……斬るのが上手くなった事を…喜んでいいものかしら…?

……あたし達を送って来た戦艦の内、一隻がメアレイヒの海に沈んだらしい。
メアレイヒの誘いに乗って、渦潮が多発する海域を通過しようとしての事だ。
メアレイヒ本部を臨める主戦場の海域で戦っている、オースィラ海軍の主力部隊が崩れたと言う報告は…まだ無い。



―― ずっと、通信機からは音楽が流れている。
―― それは、柊大将の艦が無事だと言う証。

―― 不意に曲調が変わる。
―― それはカウントダウンを告げる、逆転の一音。



その音にオースィラ軍がメアレイヒ本部から距離を取り始めた。

「ライス中尉。こっちは無事。負傷は少数。 ―― 他の皆は?」
『リクは隣に居る。アカガネからはさっき連絡あって今移動中だ。
  ―― ルクスからの連絡がまだなんだよな』
「 ―― っ!?」

走っていた足が、ピタリと止まる。

「……だ…い、じょうぶですよね…?ルクス少尉」
『コイツ等相手にルクスが苦戦する事は無いだろーが…。
 交戦に夢中になって「聴いてなかった」とかはあるかもなー』
「ちょっ、そんな呑気な事言って ―― 」

のほほんとした通信機の向こうにむかって荒げた声は、ぬるりとした冷たさと共に背後から耳に掛けていた通信機を取り上げられて行き場を無くし。
ぽかんと通信機の行方を追えば、まだ新しい血の臭いのする…赤でまだらに染められた紫の袖に行き着いた。

「俺は問題無い」
『うぉ、ルクスか!?噂してると本人来るって本当なんだな!!』
「…何の事だ」
『イヤイヤ何でも。じゃあそっちもオッケーだな。……ディアにも突入の用意する様言っといてくれ。リクとアカガネには伝えてあっから』
「了解した」

「返すぞ」と手の上に落とされた通信機とルクス少尉の顔を見比べていると、頭上から溜息が一つ。
「ライス中尉からの伝言は聞こえていたな?」
「あ、うん」
「さっきから注意が散漫だ。死にたいなら別に構わんが」
「んな訳ないでしょ!!」
がう、と噛み付けば無言で背後に顎をしゃくられる。
振り向けば今も尚、地面に伏して血を垂れ流し続けるメアレイヒ兵が一人。
生乾きの血の臭いはルクス少尉の袖からも。
「……え…っと…もしかして」
濡れた色の真紅のサーベルから粘りの増した血を払い、眇めた金眼が無表情に森を見る。
「立ち止まってあれだけの大声で叫べば…殺してくれと言ってる様なものだろうが。
 なんだもう鈍ったか」
「……ごめんなさい」

……迷惑、掛けちゃった…。
気ぃ抜いたらいけない所で気抜いて…。
そりゃそうだ。あんな声出して気付かれない方が可笑しいもの。

「そろそろだろう。用意しておけ」
「…ん。…?」
どんよりと返された通信機を耳に掛ければ、ぬるりと指が滑る。
「?」
見れば生乾きの血が指に付いた。
「どうした」
「……ううん。なんでも無い」
通信機を外して耳を触っても切り傷の感触は無い。
それでもぬるりと何かが塗り広げられた感覚は有る。
……あぁ、そうか。
通信機取られた時にルクス少尉の手に付いてた血がついたんだ。
「ルクス少尉は…手とか怪我とか…大丈夫なの?」
「返り血だけだが。…それがどうした」
「ううん。なら良いんだ」


―― 一際強く。
―― 通信機の向こうから鐘を鳴らす様な音が響く。
―― 森を透かした向こうから伝わるのは、
―― 蒼い冷気を伴った光。


季節外れのダイヤモンド・ダスト。
海岸に突如現れたのは…巨大な氷のオブジェ。
変わり果てたメアレイヒ軍の本部の姿。


「いくぞ」
「うん」
「……今度は呆けるなよ」
「ルクス少尉こそ。今度は人質にするんだから殺しちゃ駄目なんだからねっ!!」
「………(面倒な)」
「聞こえてるわよっ!」
言い返しながら血の付いた指で触られた耳に触れると、乾いた血がパリパリと零れていく。
不謹慎だと解っていても、顔に熱が昇るのは止められない。

( あのね )
( でもね )
( 助けてくれて )


「……ありがとう」


「何か言ったか」
「何も?」

無言で駆け出したルクス少尉に続いてあたしも本部に向けて走り出す。
これが終局。
これで全てが決まって終わる。


+++++

ルクスさんとライスさん、お名前だけですが柊さん、アカガネさん、リクくんをお借りしました!

大分遅くなりましたが…9月戦のラストです…。
そして色々捏造スミマセンっ!
寧ろルクスさん…色々スミマセン…orz

愛は…あるんです。物凄く…!
でも状況が状況なので…糖分控えめな微微糖で…す。
てかもう…ルクスさんに助けて貰ったりとか迷惑掛けたりな描写多くてすみません…っorz
(……静かねぇ)

空のポットを抱えて廊下を歩けば今自分が出て来た部屋との差に面食らう。
勿論船室からは人の気配がするし、今向かっている食堂からは話し声だってする。
それでも……。



「っ、しゃーーーーーーーーっ!!!」



壁だろうが距離だろうがなんのその。
壁も距離も突き抜けて高々と聞こえた歓声に、後ろを振り返って頭を振る。
あの様子だと、今回は中尉の大勝かしら。

そんな事を考えつつ、てりてりポットを抱えて着いた食堂。
暗記の合間や気分転換のトランプ大会をしている間に、ライス中尉の部屋のポットは空になり……そこでお湯を貰いに来たは良いものの、生憎厨房の中は空だった。
「んー……」
カップ一杯二杯位なら給湯器から貰うけど…それじゃあ足りないのよね…。
かと言って陸軍の自分が勝手に人様の艦の厨房借りるのは…あれだしなぁ…。
んー…とポットを抱えて厨房を覗き込んでいたら、「……あら?」と声を掛けられた。
振り返れば、透ける水色の髪にふわふわとした笑顔。
……あ、そうだ。

「カトレア少尉…っ」
「あらあらやっぱりディアンセト少尉。……?」

不思議そうにあたしの腕の中のポットを見るカトレア少尉に、「あのっ」と思い切ってお願いしてみた。


-----


「すみません…突然お願いして…」
「あらあら。そんなにかしこまらなくて良いのに」

カトレア少尉に許可を貰って、厨房の水道を捻る。
ケトルに注がれる水の音に紛れて、今度は壁を突き抜けた向こうから絶叫が響いた。
誰だあれは。リク少尉?
「賑やかね」
「騒がしくてすみません…っ」
カトレア少尉はクスクスと笑って首を傾げた。
「そうかしら?とっても楽しそうだけれど…」
「“羽は伸ばせる時に伸ばしておけ”が陸三なので。
 あの4人…あー…ルクス少尉を除いた3人が静かにしてると逆に不安ですけど」
苦笑交じりに軽い口調で吐き出せば、カトレア少尉が柳眉を下げて微苦笑とも見える緩い笑みを浮かべていた。
「……陸軍は…今回直にメアレイヒの本部に乗り込む事になったものね」
「ですね」と、重くならない様に、あくまで軽い口調で笑みを作って。
「陸三中隊の性には合ってるんですよ。『突撃中隊』って異名の通り、あたし達小隊長・中隊長自体戦場に切り込んで行くタイプばっかりですし…。
 ……ただ、一番冷静に見えるルクス少尉だって、戦闘となると負傷してたって暴れますから」
カツンカツンと煮立つ音がして視線を落としたケトルの表面は、曲面にそってあたしの表情が歪んで映り、表情がよく判らない。
「この間の戦争だって返り血まみれで帰って来て…真っ赤になったコートを洗って返したらまた真っ赤にしてくるわ…。いや、それはまあ予想してたから別にいいんですけど…。
 幸いにも大怪我とかは無かったですけど、怪我してもルクス少尉って治療嫌がるんです。それでも無理矢理…本人が無理だと思ってないからなぁ…医療隊抜け出して前線復帰して暴れて傷増やしてくるし…」
渦巻く思考に呑まれながら、「あらあら」とほんわりした合いの手に言葉はうだうだ続く。
「そりゃ、あたしみたいな若造が5つも上の人の心配したって…心配された方からすれば不愉快だと思いますけど……」



「……何時居なくなってもおかしくないのって、怖いし慣れないです。
 ……生きて帰って来て欲しいって思うのは…仕方ないじゃないですか」



愚痴だと判っていても言葉は出る。
深深と溜息一つ吐いた所で、隣にカトレア少尉が居るのを良い事に愚痴を吐き出していた事に気が沈む。
「あの…すみませんでした。…なんか愚痴ってしまって」
こう言う事を話そうにも、陸軍には女性が少ない。
中隊も違うローレライ大尉には流石に話し辛いし、あたしが幾ら年下だからと言って、上司が部下に愚痴るには微妙な話しだし。
……だから同じ少尉階級かつ大人の女性のカトレア少尉を前にして、日頃の愚痴がつい出て来てしまったんだと思った。
「あら…それは別に気にしなくていいのよ?」
長い睫に縁取られた眼をゆるりと伏せ、微笑む姿はたとえ同性でも溜息が出る。
但し「はあ、」とその時あたしの吐いた溜息は、どちらかと言えば拍子抜けというか、安堵に近いものだったけれど。

「心配なのね」
「まあ、大事な仲間ですか「ルクス少尉の事」」

 ……………。

「………あの、カトレア少尉」
「あら、何かしら」
「………なんで個人名指定で…?」

何か、前にもあった。
あの時はアカガネ少尉だった。
まさか『また?』と思いながら恐る恐るカトレア少尉を見返せば、月白色の睫をぱさりと揺らし、アクアマリンの瞳が白い瞼の下に隠れる。


―― にっこりと ――
―― 綺麗と見惚れるよりは、あどけない少女の様な笑みを浮かべるカトレア少尉に ――


……あたしは冷や汗を垂らした。


 - - -


「なんでこう…」
アカガネ少尉といい…カトレア少尉といい…。
「なんで判るんですかーっ!?」
「あらあら。話を聞いていれば判りますよ」

にこにこと笑い掛けるカトレア少尉から、あううと顔を背ける。
多分・絶対・確実に。……顔赤い。

「いっ、言わないで下さいねっ!?特に本人!!」
「言いませんとも。安心なさってくださいな」

頬に手を当てたカトレア少尉が小首を傾げてにっこり笑った。
それでもあうあうと挙動不審になるのは…こーゆー風に恋愛関係を言われた事が無いからで。
……どんな顔して部屋に戻れば良いんだと…ポットにお湯を補充しつつ途方に暮れて頭を落とした。


+++++

カトレアさん、そしてお名前と絶叫(?)だけですが陸三中隊の皆様をお借りしましたーっ!!
口調行動等、おかしな所がありましたらビシビシご指摘お願いします…orz
とりあえず苗字+階級呼びで呼んで頂きました…。


ぽろりと口を滑らせてカトレアさんににっこりされるのです…!の巻。
書いてて本当に恥ずかしかった…。
たいした事言ってない筈なのに恥ずかしかった…。
カトレアさんが美人さん過ぎて如何描写すれば伝わるのかと…!

文中ではルクスさんの事しか言ってませんけど、陸三中隊の皆さんも勿論心配してますからね!?
(……ただ第一に思うのがルクスさんなだけで…)
「っだー!」

突如吠えたのは我等が中隊長。
耳に入れていたイヤホンを毟り取ると、帽子が落ちるにも構わずぐでんと伸びた。
「ちょ、ライス中尉ー」
「一旦休憩すっぞー。お前等もソレ外せー」
首から上を凭れていたベッドの上に落とし、ひらひらと手首から先だけを振って、首と顎の裏しか見えないライス中尉が各々の耳に入っているイヤホンを外せと促した。
んもーと思いつつ、ルクス少尉やアカガネ少尉も外して休憩の体勢に入るのを見ては、仕方ないなぁとあたしも耳に入れたイヤホンを抜いて再生機の電源を切る。
―― 分厚い壁越しに聞こえる波の音が耳に新しい。

「あー…やべぇ。まだ耳の中で音が聞こえる」
「……俺もー」
ぐでりん二人目。
リク少尉も譜面を傍らに放って肩を落とす。
「……コーヒーでも淹れるわね」
「あ、ディア。俺が持って来たクッキーがそこら辺の棚に入ってないか?」
アカガネ少尉が暗号表も兼ねた譜面から嬉しそうに顔を上げる様子に、ルクス少尉が一瞬半ば呆れた視線を投げていた様だったけど…またすぐ手元の譜面に視線を落としていた。
一緒に出してーと言うアカガネ少尉に「はいはい」と答え、備え付けの電気ポットから人数分のカップにお湯を注いでコーヒーを淹れる。
アカガネ少尉の言っていたクッキーも大皿に空けて、コーヒーを配り終わると譜面やら再生機が寄せられて出来た空白にお盆ごと置いた。

「にしても…」
コーヒーを啜りながらライス中尉がやけに遠くを見てぽそりと零した。
「俺この年になってまで試験勉強じみた事するとは思わなかったな…」
その言葉にアカガネ少尉は4本目のスティックシュガーを入れる手を止め、リク少尉が譜面から目を逸らしてクッキーを頬張る。

「情報隊もよく思いついたもんだ。
 軍楽隊に暗号を演奏させようなんてな」

再生機からイヤホンのジャックを引き抜いて再生ボタンを押せば、スピーカーから響くオーケストラ。
解読しようにも音符の連なりと楽器の多様性から、即座に書き留めるのも不可能。
例え旋律が同じでも、使われる楽器が違えば暗号の意味も変わる。
……まあ、お陰であたし達は今こうして、勉強会宜しく戦場に向かう海軍の軍艦の中でも暗記に勤めている訳なのだが。

「あたしはモールス信号とか変な暗号単語より覚え易くて良いけどね」
「…………覚える事はたいして変わらん」
「機密保持の為に暗号表の要らない暗号をーって考えもあったって聞いたぞ」
「でもよ…暗記かよ…」
勉強なんて士官学校の時だけでいいのによ…と不貞腐れるリク少尉の頭をわしゃりと掻き混ぜながら、ライス中尉が空のカップをお盆に戻した。
「情報隊が言ってたけどな、人ってのは長ったらしい文章を暗記出来なくても、それと同じ文字数の歌は暗記出来てるんだとさ」


音を曲に。
暗号を歌詞に。


天井のスピーカーから、変わった旋律が流れ出した。
クラリネットやバイオリンが紡ぐのは既存の曲ではなく、さながら即興曲。
それでも五人の視線はスピーカーに向けられ、十数秒繰り返されたその内容に不貞腐れてたリク少尉が顔を輝かせる。
「コイツ一曲だって情報と軍楽が頭捻って作ったんだ。
 後衛がこれだけやってんのに、俺ら前衛がこけて「ハイ駄目でしたー」って訳にゃいかんだろ」
ぽんぽんと年若い少年少尉の頭を叩き、ライス中尉は弾みをつけて寄り掛かっていたベッドから身体を起こした。


「ほれほれメシだ。続きは食ってからにしょうや」


にかりと笑って立ち上がった中尉に、慌てた少年少尉が慌てて飲み干そうとしたコーヒーに咳き込んで、背中を擦る赤い青年少尉と連れ立って部屋を出て。
黒髪を一つに結った女性少尉が出しっぱなしの再生機と五人が飲んだカップを片付けて、ドアの外で待つ長身の少尉の元に急いだ。



―― 連れ立って歩く身長も年齢もバラバラの5人の姿に、擦れ違った海軍兵がなんとも不思議そうな顔をしてその背中を見送った。
―― 今もこの戦艦は戦場となる海域を目指していると言うのに……まるで駐屯地に居るかの様な錯覚を覚えさせた陸軍の将校達を。



+++++

陸三中隊の皆さんをお借りしましたっ。
どうみても光景が夏休み終盤に全員で宿題を片付けてる様子ですorz

ほのぼの?でスミマセン…^^;
どうも私、陸三中隊は緊張感を表に出さないイメージを持っている様です…。
緊張感は持っていても飄々とみせている…というか。

……タイトル後で代えるかも。
なむさんが…凄い物を描いていらっしゃる…!!

連日の会議で妄想脳がダウンしてたんですが…これで凄い栄養貰ったのでむくむく頑張ります…!

うーにゅ…ディアに怪我はさせたいけれど、ディアは怪我すると迷惑掛かるから怪我しないように頑張る子なんだよなぁ…。
ディアと言い又従兄弟と言い…頑張り過ぎる悪癖は家系なのかしら…?



カトレアさんににっこりされるんだ…!
ディアをあわあわさせるんだ…!!
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