此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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2008/09/05 (Fri)
21:28:16
◇残暑
「っだー!」
突如吠えたのは我等が中隊長。
耳に入れていたイヤホンを毟り取ると、帽子が落ちるにも構わずぐでんと伸びた。
「ちょ、ライス中尉ー」
「一旦休憩すっぞー。お前等もソレ外せー」
首から上を凭れていたベッドの上に落とし、ひらひらと手首から先だけを振って、首と顎の裏しか見えないライス中尉が各々の耳に入っているイヤホンを外せと促した。
んもーと思いつつ、ルクス少尉やアカガネ少尉も外して休憩の体勢に入るのを見ては、仕方ないなぁとあたしも耳に入れたイヤホンを抜いて再生機の電源を切る。
―― 分厚い壁越しに聞こえる波の音が耳に新しい。
「あー…やべぇ。まだ耳の中で音が聞こえる」
「……俺もー」
ぐでりん二人目。
リク少尉も譜面を傍らに放って肩を落とす。
「……コーヒーでも淹れるわね」
「あ、ディア。俺が持って来たクッキーがそこら辺の棚に入ってないか?」
アカガネ少尉が暗号表も兼ねた譜面から嬉しそうに顔を上げる様子に、ルクス少尉が一瞬半ば呆れた視線を投げていた様だったけど…またすぐ手元の譜面に視線を落としていた。
一緒に出してーと言うアカガネ少尉に「はいはい」と答え、備え付けの電気ポットから人数分のカップにお湯を注いでコーヒーを淹れる。
アカガネ少尉の言っていたクッキーも大皿に空けて、コーヒーを配り終わると譜面やら再生機が寄せられて出来た空白にお盆ごと置いた。
「にしても…」
コーヒーを啜りながらライス中尉がやけに遠くを見てぽそりと零した。
「俺この年になってまで試験勉強じみた事するとは思わなかったな…」
その言葉にアカガネ少尉は4本目のスティックシュガーを入れる手を止め、リク少尉が譜面から目を逸らしてクッキーを頬張る。
「情報隊もよく思いついたもんだ。
軍楽隊に暗号を演奏させようなんてな」
再生機からイヤホンのジャックを引き抜いて再生ボタンを押せば、スピーカーから響くオーケストラ。
解読しようにも音符の連なりと楽器の多様性から、即座に書き留めるのも不可能。
例え旋律が同じでも、使われる楽器が違えば暗号の意味も変わる。
……まあ、お陰であたし達は今こうして、勉強会宜しく戦場に向かう海軍の軍艦の中でも暗記に勤めている訳なのだが。
「あたしはモールス信号とか変な暗号単語より覚え易くて良いけどね」
「…………覚える事はたいして変わらん」
「機密保持の為に暗号表の要らない暗号をーって考えもあったって聞いたぞ」
「でもよ…暗記かよ…」
勉強なんて士官学校の時だけでいいのによ…と不貞腐れるリク少尉の頭をわしゃりと掻き混ぜながら、ライス中尉が空のカップをお盆に戻した。
「情報隊が言ってたけどな、人ってのは長ったらしい文章を暗記出来なくても、それと同じ文字数の歌は暗記出来てるんだとさ」
音を曲に。
暗号を歌詞に。
天井のスピーカーから、変わった旋律が流れ出した。
クラリネットやバイオリンが紡ぐのは既存の曲ではなく、さながら即興曲。
それでも五人の視線はスピーカーに向けられ、十数秒繰り返されたその内容に不貞腐れてたリク少尉が顔を輝かせる。
「コイツ一曲だって情報と軍楽が頭捻って作ったんだ。
後衛がこれだけやってんのに、俺ら前衛がこけて「ハイ駄目でしたー」って訳にゃいかんだろ」
ぽんぽんと年若い少年少尉の頭を叩き、ライス中尉は弾みをつけて寄り掛かっていたベッドから身体を起こした。
「ほれほれメシだ。続きは食ってからにしょうや」
にかりと笑って立ち上がった中尉に、慌てた少年少尉が慌てて飲み干そうとしたコーヒーに咳き込んで、背中を擦る赤い青年少尉と連れ立って部屋を出て。
黒髪を一つに結った女性少尉が出しっぱなしの再生機と五人が飲んだカップを片付けて、ドアの外で待つ長身の少尉の元に急いだ。
―― 連れ立って歩く身長も年齢もバラバラの5人の姿に、擦れ違った海軍兵がなんとも不思議そうな顔をしてその背中を見送った。
―― 今もこの戦艦は戦場となる海域を目指していると言うのに……まるで駐屯地に居るかの様な錯覚を覚えさせた陸軍の将校達を。
+++++
陸三中隊の皆さんをお借りしましたっ。
どうみても光景が夏休み終盤に全員で宿題を片付けてる様子ですorz
ほのぼの?でスミマセン…^^;
どうも私、陸三中隊は緊張感を表に出さないイメージを持っている様です…。
緊張感は持っていても飄々とみせている…というか。
……タイトル後で代えるかも。
突如吠えたのは我等が中隊長。
耳に入れていたイヤホンを毟り取ると、帽子が落ちるにも構わずぐでんと伸びた。
「ちょ、ライス中尉ー」
「一旦休憩すっぞー。お前等もソレ外せー」
首から上を凭れていたベッドの上に落とし、ひらひらと手首から先だけを振って、首と顎の裏しか見えないライス中尉が各々の耳に入っているイヤホンを外せと促した。
んもーと思いつつ、ルクス少尉やアカガネ少尉も外して休憩の体勢に入るのを見ては、仕方ないなぁとあたしも耳に入れたイヤホンを抜いて再生機の電源を切る。
―― 分厚い壁越しに聞こえる波の音が耳に新しい。
「あー…やべぇ。まだ耳の中で音が聞こえる」
「……俺もー」
ぐでりん二人目。
リク少尉も譜面を傍らに放って肩を落とす。
「……コーヒーでも淹れるわね」
「あ、ディア。俺が持って来たクッキーがそこら辺の棚に入ってないか?」
アカガネ少尉が暗号表も兼ねた譜面から嬉しそうに顔を上げる様子に、ルクス少尉が一瞬半ば呆れた視線を投げていた様だったけど…またすぐ手元の譜面に視線を落としていた。
一緒に出してーと言うアカガネ少尉に「はいはい」と答え、備え付けの電気ポットから人数分のカップにお湯を注いでコーヒーを淹れる。
アカガネ少尉の言っていたクッキーも大皿に空けて、コーヒーを配り終わると譜面やら再生機が寄せられて出来た空白にお盆ごと置いた。
「にしても…」
コーヒーを啜りながらライス中尉がやけに遠くを見てぽそりと零した。
「俺この年になってまで試験勉強じみた事するとは思わなかったな…」
その言葉にアカガネ少尉は4本目のスティックシュガーを入れる手を止め、リク少尉が譜面から目を逸らしてクッキーを頬張る。
「情報隊もよく思いついたもんだ。
軍楽隊に暗号を演奏させようなんてな」
再生機からイヤホンのジャックを引き抜いて再生ボタンを押せば、スピーカーから響くオーケストラ。
解読しようにも音符の連なりと楽器の多様性から、即座に書き留めるのも不可能。
例え旋律が同じでも、使われる楽器が違えば暗号の意味も変わる。
……まあ、お陰であたし達は今こうして、勉強会宜しく戦場に向かう海軍の軍艦の中でも暗記に勤めている訳なのだが。
「あたしはモールス信号とか変な暗号単語より覚え易くて良いけどね」
「…………覚える事はたいして変わらん」
「機密保持の為に暗号表の要らない暗号をーって考えもあったって聞いたぞ」
「でもよ…暗記かよ…」
勉強なんて士官学校の時だけでいいのによ…と不貞腐れるリク少尉の頭をわしゃりと掻き混ぜながら、ライス中尉が空のカップをお盆に戻した。
「情報隊が言ってたけどな、人ってのは長ったらしい文章を暗記出来なくても、それと同じ文字数の歌は暗記出来てるんだとさ」
音を曲に。
暗号を歌詞に。
天井のスピーカーから、変わった旋律が流れ出した。
クラリネットやバイオリンが紡ぐのは既存の曲ではなく、さながら即興曲。
それでも五人の視線はスピーカーに向けられ、十数秒繰り返されたその内容に不貞腐れてたリク少尉が顔を輝かせる。
「コイツ一曲だって情報と軍楽が頭捻って作ったんだ。
後衛がこれだけやってんのに、俺ら前衛がこけて「ハイ駄目でしたー」って訳にゃいかんだろ」
ぽんぽんと年若い少年少尉の頭を叩き、ライス中尉は弾みをつけて寄り掛かっていたベッドから身体を起こした。
「ほれほれメシだ。続きは食ってからにしょうや」
にかりと笑って立ち上がった中尉に、慌てた少年少尉が慌てて飲み干そうとしたコーヒーに咳き込んで、背中を擦る赤い青年少尉と連れ立って部屋を出て。
黒髪を一つに結った女性少尉が出しっぱなしの再生機と五人が飲んだカップを片付けて、ドアの外で待つ長身の少尉の元に急いだ。
―― 連れ立って歩く身長も年齢もバラバラの5人の姿に、擦れ違った海軍兵がなんとも不思議そうな顔をしてその背中を見送った。
―― 今もこの戦艦は戦場となる海域を目指していると言うのに……まるで駐屯地に居るかの様な錯覚を覚えさせた陸軍の将校達を。
+++++
陸三中隊の皆さんをお借りしましたっ。
どうみても光景が夏休み終盤に全員で宿題を片付けてる様子ですorz
ほのぼの?でスミマセン…^^;
どうも私、陸三中隊は緊張感を表に出さないイメージを持っている様です…。
緊張感は持っていても飄々とみせている…というか。
……タイトル後で代えるかも。
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