此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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2008/06/10 (Tue)
23:48:09
◇戦争と平和の違いは一つ(5/30)
アユちゃんお借りしてます。
喝です^^;
……なんだか色々スミマセンorz
アユちゃんを慰めるのはメアレイヒの方々にお任せします^^;
(いや流石に戦場でオースィラ兵が慰めちゃアレかしらとかごにょごにょ…)
修正訂正ありましたらビシビシ言って下さい…orz
喝です^^;
……なんだか色々スミマセンorz
アユちゃんを慰めるのはメアレイヒの方々にお任せします^^;
(いや流石に戦場でオースィラ兵が慰めちゃアレかしらとかごにょごにょ…)
修正訂正ありましたらビシビシ言って下さい…orz
森の中で見掛けた、ふらふら歩いている焔色の影。
何処かで見掛けた色だと記憶を探り、思い出して瞬き一つ。
(ああ、そうか)
この無人島に居るのは、オースィラの軍人にメアレイヒの軍人、そしてメアレイヒの軍学校の学兵の三種類。
彼女の年齢と様子から考えれば、答えは容易に思いつく。
厭な世の中だと眼を眇めてみた所で、目の前の様子が変わる訳でもなし。
溜息一つ。
「戦場でそんな顔してると…死ぬわよ?」
下草の茂った小道に足を進めようとしていた、彼女の後襟を掴んで引き止めれば、翳った青い眼がぼんやりと振り向く。
「………何ノ、用デスか」
「んー…まあ忠告がてら」
彼女の先にある、下草の茂みに向けて足元の砂を蹴り払うと、脛の高さに張られたピアノ線が浮き立つ。
「紙ヤスリ掛けて艶消してあるから、気をつけないと『刺さる』わよ」
脚が引っかかれば甘く固定したピアノ線が外れ矢が飛んでくる古典的なブービートラップ。
此処のは毒だったかしら麻痺だったかしら。
「……なんデ」
「ん?」
アラートが付いていない事を確認して、トラップ自体を小太刀の冷気で氷付けにし、後ろの彼女を振り返る。
「なんデ助けるンですカ!?」
大陸横断鉄道で会った時の印象からは、意外と思う程の切羽詰まった声。
そうなった経緯は、彼女の頬と暖かそうなファーに付いた赤黒い色から推測できた。
「ディアレントサンはオースィラの軍人なのでショウ!?何でワタシを助けるンですか!!
アナタもあの人と一緒ですカ。吠えるダケの仔犬の相手などしてられないとデモ言うのですカ!!」
全身で叫ぶ彼女に、眼を細める。
「じゃあ聞くけれど…」
小太刀を鞘に納め、腕を組んで首を傾げる。
「なんでこうも無防備な姿晒してるあたしに武器を向けないの?」
その一言に、びくりと身体を竦めて彼女は表情を凍らせる。
腰の後ろの長剣にも、太股の銃器にも手は伸びず、綺麗な青い眼は凍り付いている。
「さっきのトラップ解除している時もそう。背中向けた敵兵に切り付ける訳でも無く、かといって逃げるでも無し」
「………っ」
「生憎、戦意の無い相手を殺して喜ぶ趣味は持ってないわ」
「……戦意があれば、殺すのですカ」
「まさか」
俯いていた彼女が、驚いた様に顔を上げる。
「戦意があれば、戦うだけよ。
負傷して自分の陣営に帰ってくれたらそれで充分。
死んだらそれまでだけれど、生きていたらその分医療品も兵糧も消費せざるを得ないしね。
だから殺すのは最後の手段。
生きて帰るのが無理そうだったら、野垂れ死ぬ前にあたしが殺してあげるわ」
肩を竦め、笑って見せる。
「正直な所、戦うのは好きだけど、殺人は好きじゃなくてね」
「……なんで人を殺しておいて、笑えるんですカ」
「それが刃を交えた相手への、あたしなりの敬意と手向けだからよ」
「仲間が死んだのなら、それは悲しいでしょう。
部下が、上司が、親友が恋人が。心を寄せた相手が死んだのなら悲しいでしょう。
でも、生きる為に死力を尽くして向き合った相手に向けて、向ける感情が『悲しい』?
人を殺めるかもしれない。
その可能性が100%付き纏うのに、何故軍人・軍属という道を選んだのに?
この道を選んだ時点で、一度は覚悟を決めた筈じゃないの?
誰かを殺めるかもしれない覚悟を。自分が誰かに殺されるかもしれない覚悟を。
それなのに、何故自分で殺しておいて悲しいと思うの?
それは殺した相手に向ける憐憫じゃないわ。
『誰か』を『殺してしまった』自分を可哀想だと思っているだけよ!
相手を殺さないといけないのは、何故?
戦争だから?戦場だから?敵兵だから?
戦争が悪くて?戦場で出会ったから?敵国の兵だから?
違うでしょう?
殺すのが一番手っ取り早く相手を屈服させられる手段だからよ。
戦争だから相手を殺さないといけないなんて誰が決めた!!」
ふ、と。誰かをその手に掛けた彼女に向けて問う。
「貴方は、なんの為に戦うの?殺す為に戦うの?」
ふるふると首を振った彼女の姿に微笑む。
「そこで首を振れるなら大丈夫よ。 ―― 頷いてたら引っ叩いてたけど」
ゆっくりと、焔色の小さな頭を撫でる。
「殺したくないのなら頭を使いなさい。
殺したくないのなら強くなりなさい。
殺さずに、相手を倒せる様に。
相手の命を奪わずに、勝てる様に」
「……殺すつもりの無い相手ヲ、殺シテ、しまったのナラ…?」
「それでも同じよ。
自分の命が、他の命に贖われている事を忘れずに生きなさい。
そして相手の命を奪った事に見合う以上の、自分の人生を全うしなさい」
水筒の水でハンカチを濡らし、彼女の頬にこびり付いた血を拭う。
「相手の命を奪う事を割り切れなんて甘い事は言わないわ。
途中で折れたとしても、また鍛え上げなさい。
妥協せず、自分の筋を通せる戦い方を見つけなさい」
窺う様な視線の彼女の頭を撫でて、ゆっくりと笑う。
「一度会っただけの旅行者のアユちゃんに言うわ。『無事で良かった』
敵国の軍人として、アユ・フィーンに言いましょう。『今度は戦場以外で会いたいわね』、と」
とんとん、と。彼女の背を叩いて身体を離す。
「で、如何する?これ以上戦場に居たくないってんなら、腕折るか外すかして、逃げる理由作ってあげるけど」
「……イイエ。ちゃんと、歩いて戻りマス」
「そう。 ―― 気をつけてね」
こっくりと頷き、背を向けるアユちゃんの姿が消えるまで見送り、そっと願う。
―― 彼女の眼が、再び綺麗な色で輝く事を。
+++++
何処かで見掛けた色だと記憶を探り、思い出して瞬き一つ。
(ああ、そうか)
この無人島に居るのは、オースィラの軍人にメアレイヒの軍人、そしてメアレイヒの軍学校の学兵の三種類。
彼女の年齢と様子から考えれば、答えは容易に思いつく。
厭な世の中だと眼を眇めてみた所で、目の前の様子が変わる訳でもなし。
溜息一つ。
「戦場でそんな顔してると…死ぬわよ?」
下草の茂った小道に足を進めようとしていた、彼女の後襟を掴んで引き止めれば、翳った青い眼がぼんやりと振り向く。
「………何ノ、用デスか」
「んー…まあ忠告がてら」
彼女の先にある、下草の茂みに向けて足元の砂を蹴り払うと、脛の高さに張られたピアノ線が浮き立つ。
「紙ヤスリ掛けて艶消してあるから、気をつけないと『刺さる』わよ」
脚が引っかかれば甘く固定したピアノ線が外れ矢が飛んでくる古典的なブービートラップ。
此処のは毒だったかしら麻痺だったかしら。
「……なんデ」
「ん?」
アラートが付いていない事を確認して、トラップ自体を小太刀の冷気で氷付けにし、後ろの彼女を振り返る。
「なんデ助けるンですカ!?」
大陸横断鉄道で会った時の印象からは、意外と思う程の切羽詰まった声。
そうなった経緯は、彼女の頬と暖かそうなファーに付いた赤黒い色から推測できた。
「ディアレントサンはオースィラの軍人なのでショウ!?何でワタシを助けるンですか!!
アナタもあの人と一緒ですカ。吠えるダケの仔犬の相手などしてられないとデモ言うのですカ!!」
全身で叫ぶ彼女に、眼を細める。
「じゃあ聞くけれど…」
小太刀を鞘に納め、腕を組んで首を傾げる。
「なんでこうも無防備な姿晒してるあたしに武器を向けないの?」
その一言に、びくりと身体を竦めて彼女は表情を凍らせる。
腰の後ろの長剣にも、太股の銃器にも手は伸びず、綺麗な青い眼は凍り付いている。
「さっきのトラップ解除している時もそう。背中向けた敵兵に切り付ける訳でも無く、かといって逃げるでも無し」
「………っ」
「生憎、戦意の無い相手を殺して喜ぶ趣味は持ってないわ」
「……戦意があれば、殺すのですカ」
「まさか」
俯いていた彼女が、驚いた様に顔を上げる。
「戦意があれば、戦うだけよ。
負傷して自分の陣営に帰ってくれたらそれで充分。
死んだらそれまでだけれど、生きていたらその分医療品も兵糧も消費せざるを得ないしね。
だから殺すのは最後の手段。
生きて帰るのが無理そうだったら、野垂れ死ぬ前にあたしが殺してあげるわ」
肩を竦め、笑って見せる。
「正直な所、戦うのは好きだけど、殺人は好きじゃなくてね」
「……なんで人を殺しておいて、笑えるんですカ」
「それが刃を交えた相手への、あたしなりの敬意と手向けだからよ」
「仲間が死んだのなら、それは悲しいでしょう。
部下が、上司が、親友が恋人が。心を寄せた相手が死んだのなら悲しいでしょう。
でも、生きる為に死力を尽くして向き合った相手に向けて、向ける感情が『悲しい』?
人を殺めるかもしれない。
その可能性が100%付き纏うのに、何故軍人・軍属という道を選んだのに?
この道を選んだ時点で、一度は覚悟を決めた筈じゃないの?
誰かを殺めるかもしれない覚悟を。自分が誰かに殺されるかもしれない覚悟を。
それなのに、何故自分で殺しておいて悲しいと思うの?
それは殺した相手に向ける憐憫じゃないわ。
『誰か』を『殺してしまった』自分を可哀想だと思っているだけよ!
相手を殺さないといけないのは、何故?
戦争だから?戦場だから?敵兵だから?
戦争が悪くて?戦場で出会ったから?敵国の兵だから?
違うでしょう?
殺すのが一番手っ取り早く相手を屈服させられる手段だからよ。
戦争だから相手を殺さないといけないなんて誰が決めた!!」
ふ、と。誰かをその手に掛けた彼女に向けて問う。
「貴方は、なんの為に戦うの?殺す為に戦うの?」
ふるふると首を振った彼女の姿に微笑む。
「そこで首を振れるなら大丈夫よ。 ―― 頷いてたら引っ叩いてたけど」
ゆっくりと、焔色の小さな頭を撫でる。
「殺したくないのなら頭を使いなさい。
殺したくないのなら強くなりなさい。
殺さずに、相手を倒せる様に。
相手の命を奪わずに、勝てる様に」
「……殺すつもりの無い相手ヲ、殺シテ、しまったのナラ…?」
「それでも同じよ。
自分の命が、他の命に贖われている事を忘れずに生きなさい。
そして相手の命を奪った事に見合う以上の、自分の人生を全うしなさい」
水筒の水でハンカチを濡らし、彼女の頬にこびり付いた血を拭う。
「相手の命を奪う事を割り切れなんて甘い事は言わないわ。
途中で折れたとしても、また鍛え上げなさい。
妥協せず、自分の筋を通せる戦い方を見つけなさい」
窺う様な視線の彼女の頭を撫でて、ゆっくりと笑う。
「一度会っただけの旅行者のアユちゃんに言うわ。『無事で良かった』
敵国の軍人として、アユ・フィーンに言いましょう。『今度は戦場以外で会いたいわね』、と」
とんとん、と。彼女の背を叩いて身体を離す。
「で、如何する?これ以上戦場に居たくないってんなら、腕折るか外すかして、逃げる理由作ってあげるけど」
「……イイエ。ちゃんと、歩いて戻りマス」
「そう。 ―― 気をつけてね」
こっくりと頷き、背を向けるアユちゃんの姿が消えるまで見送り、そっと願う。
―― 彼女の眼が、再び綺麗な色で輝く事を。
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