此処はポケモン擬人化軍隊企画、『御旗のもとに』参加キャラの専用ページです。 設置H20.2.29
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2008/09/11 (Thu)
21:40:13
◇雉も鳴かねば撃たれまい
(……静かねぇ)
空のポットを抱えて廊下を歩けば今自分が出て来た部屋との差に面食らう。
勿論船室からは人の気配がするし、今向かっている食堂からは話し声だってする。
それでも……。
「っ、しゃーーーーーーーーっ!!!」
壁だろうが距離だろうがなんのその。
壁も距離も突き抜けて高々と聞こえた歓声に、後ろを振り返って頭を振る。
あの様子だと、今回は中尉の大勝かしら。
そんな事を考えつつ、てりてりポットを抱えて着いた食堂。
暗記の合間や気分転換のトランプ大会をしている間に、ライス中尉の部屋のポットは空になり……そこでお湯を貰いに来たは良いものの、生憎厨房の中は空だった。
「んー……」
カップ一杯二杯位なら給湯器から貰うけど…それじゃあ足りないのよね…。
かと言って陸軍の自分が勝手に人様の艦の厨房借りるのは…あれだしなぁ…。
んー…とポットを抱えて厨房を覗き込んでいたら、「……あら?」と声を掛けられた。
振り返れば、透ける水色の髪にふわふわとした笑顔。
……あ、そうだ。
「カトレア少尉…っ」
「あらあらやっぱりディアンセト少尉。……?」
不思議そうにあたしの腕の中のポットを見るカトレア少尉に、「あのっ」と思い切ってお願いしてみた。
-----
「すみません…突然お願いして…」
「あらあら。そんなにかしこまらなくて良いのに」
カトレア少尉に許可を貰って、厨房の水道を捻る。
ケトルに注がれる水の音に紛れて、今度は壁を突き抜けた向こうから絶叫が響いた。
誰だあれは。リク少尉?
「賑やかね」
「騒がしくてすみません…っ」
カトレア少尉はクスクスと笑って首を傾げた。
「そうかしら?とっても楽しそうだけれど…」
「“羽は伸ばせる時に伸ばしておけ”が陸三なので。
あの4人…あー…ルクス少尉を除いた3人が静かにしてると逆に不安ですけど」
苦笑交じりに軽い口調で吐き出せば、カトレア少尉が柳眉を下げて微苦笑とも見える緩い笑みを浮かべていた。
「……陸軍は…今回直にメアレイヒの本部に乗り込む事になったものね」
「ですね」と、重くならない様に、あくまで軽い口調で笑みを作って。
「陸三中隊の性には合ってるんですよ。『突撃中隊』って異名の通り、あたし達小隊長・中隊長自体戦場に切り込んで行くタイプばっかりですし…。
……ただ、一番冷静に見えるルクス少尉だって、戦闘となると負傷してたって暴れますから」
カツンカツンと煮立つ音がして視線を落としたケトルの表面は、曲面にそってあたしの表情が歪んで映り、表情がよく判らない。
「この間の戦争だって返り血まみれで帰って来て…真っ赤になったコートを洗って返したらまた真っ赤にしてくるわ…。いや、それはまあ予想してたから別にいいんですけど…。
幸いにも大怪我とかは無かったですけど、怪我してもルクス少尉って治療嫌がるんです。それでも無理矢理…本人が無理だと思ってないからなぁ…医療隊抜け出して前線復帰して暴れて傷増やしてくるし…」
渦巻く思考に呑まれながら、「あらあら」とほんわりした合いの手に言葉はうだうだ続く。
「そりゃ、あたしみたいな若造が5つも上の人の心配したって…心配された方からすれば不愉快だと思いますけど……」
「……何時居なくなってもおかしくないのって、怖いし慣れないです。
……生きて帰って来て欲しいって思うのは…仕方ないじゃないですか」
愚痴だと判っていても言葉は出る。
深深と溜息一つ吐いた所で、隣にカトレア少尉が居るのを良い事に愚痴を吐き出していた事に気が沈む。
「あの…すみませんでした。…なんか愚痴ってしまって」
こう言う事を話そうにも、陸軍には女性が少ない。
中隊も違うローレライ大尉には流石に話し辛いし、あたしが幾ら年下だからと言って、上司が部下に愚痴るには微妙な話しだし。
……だから同じ少尉階級かつ大人の女性のカトレア少尉を前にして、日頃の愚痴がつい出て来てしまったんだと思った。
「あら…それは別に気にしなくていいのよ?」
長い睫に縁取られた眼をゆるりと伏せ、微笑む姿はたとえ同性でも溜息が出る。
但し「はあ、」とその時あたしの吐いた溜息は、どちらかと言えば拍子抜けというか、安堵に近いものだったけれど。
「心配なのね」
「まあ、大事な仲間ですか「ルクス少尉の事」」
……………。
「………あの、カトレア少尉」
「あら、何かしら」
「………なんで個人名指定で…?」
何か、前にもあった。
あの時はアカガネ少尉だった。
まさか『また?』と思いながら恐る恐るカトレア少尉を見返せば、月白色の睫をぱさりと揺らし、アクアマリンの瞳が白い瞼の下に隠れる。
―― にっこりと ――
―― 綺麗と見惚れるよりは、あどけない少女の様な笑みを浮かべるカトレア少尉に ――
……あたしは冷や汗を垂らした。
- - -
「なんでこう…」
アカガネ少尉といい…カトレア少尉といい…。
「なんで判るんですかーっ!?」
「あらあら。話を聞いていれば判りますよ」
にこにこと笑い掛けるカトレア少尉から、あううと顔を背ける。
多分・絶対・確実に。……顔赤い。
「いっ、言わないで下さいねっ!?特に本人!!」
「言いませんとも。安心なさってくださいな」
頬に手を当てたカトレア少尉が小首を傾げてにっこり笑った。
それでもあうあうと挙動不審になるのは…こーゆー風に恋愛関係を言われた事が無いからで。
……どんな顔して部屋に戻れば良いんだと…ポットにお湯を補充しつつ途方に暮れて頭を落とした。
+++++
カトレアさん、そしてお名前と絶叫(?)だけですが陸三中隊の皆様をお借りしましたーっ!!
口調行動等、おかしな所がありましたらビシビシご指摘お願いします…orz
とりあえず苗字+階級呼びで呼んで頂きました…。
ぽろりと口を滑らせてカトレアさんににっこりされるのです…!の巻。
書いてて本当に恥ずかしかった…。
たいした事言ってない筈なのに恥ずかしかった…。
カトレアさんが美人さん過ぎて如何描写すれば伝わるのかと…!
文中ではルクスさんの事しか言ってませんけど、陸三中隊の皆さんも勿論心配してますからね!?
(……ただ第一に思うのがルクスさんなだけで…)
空のポットを抱えて廊下を歩けば今自分が出て来た部屋との差に面食らう。
勿論船室からは人の気配がするし、今向かっている食堂からは話し声だってする。
それでも……。
「っ、しゃーーーーーーーーっ!!!」
壁だろうが距離だろうがなんのその。
壁も距離も突き抜けて高々と聞こえた歓声に、後ろを振り返って頭を振る。
あの様子だと、今回は中尉の大勝かしら。
そんな事を考えつつ、てりてりポットを抱えて着いた食堂。
暗記の合間や気分転換のトランプ大会をしている間に、ライス中尉の部屋のポットは空になり……そこでお湯を貰いに来たは良いものの、生憎厨房の中は空だった。
「んー……」
カップ一杯二杯位なら給湯器から貰うけど…それじゃあ足りないのよね…。
かと言って陸軍の自分が勝手に人様の艦の厨房借りるのは…あれだしなぁ…。
んー…とポットを抱えて厨房を覗き込んでいたら、「……あら?」と声を掛けられた。
振り返れば、透ける水色の髪にふわふわとした笑顔。
……あ、そうだ。
「カトレア少尉…っ」
「あらあらやっぱりディアンセト少尉。……?」
不思議そうにあたしの腕の中のポットを見るカトレア少尉に、「あのっ」と思い切ってお願いしてみた。
-----
「すみません…突然お願いして…」
「あらあら。そんなにかしこまらなくて良いのに」
カトレア少尉に許可を貰って、厨房の水道を捻る。
ケトルに注がれる水の音に紛れて、今度は壁を突き抜けた向こうから絶叫が響いた。
誰だあれは。リク少尉?
「賑やかね」
「騒がしくてすみません…っ」
カトレア少尉はクスクスと笑って首を傾げた。
「そうかしら?とっても楽しそうだけれど…」
「“羽は伸ばせる時に伸ばしておけ”が陸三なので。
あの4人…あー…ルクス少尉を除いた3人が静かにしてると逆に不安ですけど」
苦笑交じりに軽い口調で吐き出せば、カトレア少尉が柳眉を下げて微苦笑とも見える緩い笑みを浮かべていた。
「……陸軍は…今回直にメアレイヒの本部に乗り込む事になったものね」
「ですね」と、重くならない様に、あくまで軽い口調で笑みを作って。
「陸三中隊の性には合ってるんですよ。『突撃中隊』って異名の通り、あたし達小隊長・中隊長自体戦場に切り込んで行くタイプばっかりですし…。
……ただ、一番冷静に見えるルクス少尉だって、戦闘となると負傷してたって暴れますから」
カツンカツンと煮立つ音がして視線を落としたケトルの表面は、曲面にそってあたしの表情が歪んで映り、表情がよく判らない。
「この間の戦争だって返り血まみれで帰って来て…真っ赤になったコートを洗って返したらまた真っ赤にしてくるわ…。いや、それはまあ予想してたから別にいいんですけど…。
幸いにも大怪我とかは無かったですけど、怪我してもルクス少尉って治療嫌がるんです。それでも無理矢理…本人が無理だと思ってないからなぁ…医療隊抜け出して前線復帰して暴れて傷増やしてくるし…」
渦巻く思考に呑まれながら、「あらあら」とほんわりした合いの手に言葉はうだうだ続く。
「そりゃ、あたしみたいな若造が5つも上の人の心配したって…心配された方からすれば不愉快だと思いますけど……」
「……何時居なくなってもおかしくないのって、怖いし慣れないです。
……生きて帰って来て欲しいって思うのは…仕方ないじゃないですか」
愚痴だと判っていても言葉は出る。
深深と溜息一つ吐いた所で、隣にカトレア少尉が居るのを良い事に愚痴を吐き出していた事に気が沈む。
「あの…すみませんでした。…なんか愚痴ってしまって」
こう言う事を話そうにも、陸軍には女性が少ない。
中隊も違うローレライ大尉には流石に話し辛いし、あたしが幾ら年下だからと言って、上司が部下に愚痴るには微妙な話しだし。
……だから同じ少尉階級かつ大人の女性のカトレア少尉を前にして、日頃の愚痴がつい出て来てしまったんだと思った。
「あら…それは別に気にしなくていいのよ?」
長い睫に縁取られた眼をゆるりと伏せ、微笑む姿はたとえ同性でも溜息が出る。
但し「はあ、」とその時あたしの吐いた溜息は、どちらかと言えば拍子抜けというか、安堵に近いものだったけれど。
「心配なのね」
「まあ、大事な仲間ですか「ルクス少尉の事」」
……………。
「………あの、カトレア少尉」
「あら、何かしら」
「………なんで個人名指定で…?」
何か、前にもあった。
あの時はアカガネ少尉だった。
まさか『また?』と思いながら恐る恐るカトレア少尉を見返せば、月白色の睫をぱさりと揺らし、アクアマリンの瞳が白い瞼の下に隠れる。
―― にっこりと ――
―― 綺麗と見惚れるよりは、あどけない少女の様な笑みを浮かべるカトレア少尉に ――
……あたしは冷や汗を垂らした。
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「なんでこう…」
アカガネ少尉といい…カトレア少尉といい…。
「なんで判るんですかーっ!?」
「あらあら。話を聞いていれば判りますよ」
にこにこと笑い掛けるカトレア少尉から、あううと顔を背ける。
多分・絶対・確実に。……顔赤い。
「いっ、言わないで下さいねっ!?特に本人!!」
「言いませんとも。安心なさってくださいな」
頬に手を当てたカトレア少尉が小首を傾げてにっこり笑った。
それでもあうあうと挙動不審になるのは…こーゆー風に恋愛関係を言われた事が無いからで。
……どんな顔して部屋に戻れば良いんだと…ポットにお湯を補充しつつ途方に暮れて頭を落とした。
+++++
カトレアさん、そしてお名前と絶叫(?)だけですが陸三中隊の皆様をお借りしましたーっ!!
口調行動等、おかしな所がありましたらビシビシご指摘お願いします…orz
とりあえず苗字+階級呼びで呼んで頂きました…。
ぽろりと口を滑らせてカトレアさんににっこりされるのです…!の巻。
書いてて本当に恥ずかしかった…。
たいした事言ってない筈なのに恥ずかしかった…。
カトレアさんが美人さん過ぎて如何描写すれば伝わるのかと…!
文中ではルクスさんの事しか言ってませんけど、陸三中隊の皆さんも勿論心配してますからね!?
(……ただ第一に思うのがルクスさんなだけで…)
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